みなさんは副腎疲労という言葉を聞いたことがありますか?

副腎は腎臓の上部に位置している臓器です。そして、副腎疲労はうつの原因ともいわれているものです。膵臓が疲労したら糖尿病、副腎が疲労したらうつといった具合で。

副腎疲労になるとどうなるかというと、ここぞという時に馬力が出ない、なんとなくずっと疲れている、甘いものが無償に食べたくなるといったことが長期にわたって起こります。

副腎の役割

副腎からはコルチゾールというホルモンが分泌されますが、別名「ストレスホルモン」ともいわれています。ストレスがかかるとコルチゾールが分泌され、肝臓での糖新生/筋肉でのタンパク質分解/脂肪分解によりエネルギーを産生することにより体を守る働きをしてくれます。

つまり、コルチゾールは体が危機的な状況に陥った時に血糖値を上げるホルモンとも言えます。(血糖値を上げる=悪いホルモンというわけではなく、エネルギーを産生するために必要なものなのです)

なぜ副腎は疲労するの?

この副腎疲労は西洋医学的にはストレスや甘いものの過食で起こると言われています。

ストレスがかかりすぎてそれに対処しようとしてコルチゾールがたくさん分泌され続けそのうち枯渇してしまいます。コルチゾールが不足するとストレスに対処できなくなり倒れてしまいます。嫌なことに全く立ち向かえなくなるのです。

また、甘いものを過食して血糖値が一気に上がると逆に一気に血糖値が下がるという現象が起きます。ここで、体は血糖値を上げようとコルチゾールやアドレナリンというホルモンを分泌させるのですが、このコルチゾールを作ろうと副腎が頑張りすぎてしまうので副腎が疲労するというしくみです。

コルチゾールは朝に多く分泌され夕方に下がってくるという性質があり、絶対量が減少し夕方にコルチゾールが極端に下がってしまうと低血糖が起こる可能性があります。つまり、夕方に甘いものが無償にほしくなり、ダルさが甘いもので改善されるようであれば副腎疲労の可能性があるのです。

漢方で考える副腎疲労

エネルギー不足ということで、基本的には気が不足していると捉えます。しかし、ただ気を補うだけでは悪化してしまったり効果が出ないということもしばしば起こります。気を巡らす必要があったり、血を補ったりする必要があったりと多岐に渡ります。栄養指導とともに、お一人お一人の全身の状態をしっかり聞き取りして適切な漢方薬をご提案させていただきます。

副腎疲労になる前に何が起こっているかを知ろう

副腎疲労が起こる前は、ストレスをたくさん受けてコルチゾールをたくさん分泌しなければならない状況に陥っています。つまり、体の異化が亢進している状態とも言えます。「異化=身を削る」と考えて下さい。食べても食べても太れない方がそれにあたります。食べ物だけではエネルギーが足りず、身を削ってエネルギーを産生するしかない状況です。

この時点で気づいて、適切に休養がとれたり甘いものを減らしたりといった対処ができたら副腎疲労は免れます。しかし、日本人は頑張り屋さんが多いのでこのまま動けなくなるまで働いてしまう方が多く副腎疲労に突入してしまうのです。

どうしても慢性的な疲労が取れない方へ

食事療法、栄養指導、漢方薬のご提案によりサポートさせていただきます。今のご自身の生活の何かを変えなければお体も変わりません。平日に疲れ切ってしまいせっかくの休日に横になってばかりというのも少しもったいないような気がします。働き世代の方、子育てママさんなどなど、倒れてしまう前にぜひご相談いただければと思います。うつなのか副腎疲労なのかはなかなか区別は難しいところがありますが、漢方ではどちらであっても対処が可能です。