パニック障害で悩んでいる方は少なくないと思いますが、私の印象だと我慢強い性格の方が多いようです。そもそもパニック発作はどんな方でも起きる可能性があり、決して他人事ではないのです。つい最近まで元気だったのに急にパニックが起こってしまったという患者さんにたくさんお会いしました。

そういう方は緊張状態が続いていたり、極度に心身の疲労を感じている方が多い印象です。もし、パニック障害になっていない方でも緊張や疲労が続いたりする方は予防の意味でも注意してくださいね。

そして、パニック障害は一度起きると何度も繰り返す方が多いです。一度でも起こるとあまりの恐怖のために、「また起こったらどうしよう」といわばトラウマ的な体験になるからです。ですが、ここで我慢強い性格が災いして、なかなか医療機関に頼れなく慢性化しているケースが見られます。

こうなるとどんどん予期不安の思考のクセがついてしまい、脳に負担がかかり続けてパニック発作が何度も起こるようになってしまうんです。

さらには広場恐怖症といって、パニック障害の約20%に合併するといわれていますが、発作が起こりそうな状況を避けようと、逃げられない場所を避けるようになり生活に制限がかかってしまう方がいらっしゃいます。

西洋医学で考えるパニック障害

パニック障害は偏桃体の異常興奮です。これは正常では思考や判断など認知機能を担う前頭前野により抑制されているのですが、ここの抑制が効かなくなりパニックを起こすべき状況ではないのにも関わらずパニックが起きてしまうというメカニズムです。脳の機能の乱れなので自分が弱いからとは思わないようにしてくださいね。

病院で行う治療はSSIR(抗うつ薬)や抗不安薬による偏桃体興奮を抑えるといったやり方がメインになってきますね。

早めの治療が鍵になります

先日診療内科の医師と話す機会があったのですが、パニック障害の方でお薬の服用を躊躇っていしまっている患者さんの方が治るまでに時間がかかるというお話を聞いたことがあります。つらい発作が続くことにより前頭前野のブレーキがさらにおかしくなってしまい脳の偏桃体が活性化し続けてしまうということです。

早く治したいならとにかく早めの対策が鍵になります。「心療内科のお薬を飲んでいる私はなんて情けないんだ」などのお声を聞いたことがありますが、我慢強かったからそうなったんです。ここで少し自分を許してあげませんか?私の考えとしては、病院のお薬でいざという時のしんどい症状を抑えて、漢方で体の緊張状態や弱りを回復していくやり方がよいのではないかと思っています。

パニックを起こしている状況だけを見るのではなく、自分の心身に負担がかかっていたことをしっかり見つめていただきたいと思っています。

漢方で考えるパニック障害

インターネットで調べると様々な漢方薬が出てくるかと思いますが、パニック障害といってもみなさん同じ状況ではありません。サーっと冷や汗が出る恐怖を伴うのか、気になって落ち着かなくなるのか、聞いていると症状は様々です。

ここをしっかり聞き取りをして一緒に回復に向かっていければと思います。